当院ではお子様の目の病気、症状について以下の診察・治療を行なっています。
お子様の近視・弱視・斜視についての診断、治療のアドバイス、またセカンドオピニオンも行なっております。
お気軽にご相談ください。
近年、パソコンやスマートフォンなどの普及に伴い、生活の中で近くを見る時間の割合が増えていることで、近視の進行に拍車をかけているとも言われています。 さらに最近では近視発症の低年齢化が進み、最近の学校保健統計では裸眼視力が1.0未満の小学生の割合が全体の30%以上との結果も報告されております。 必要以上に近視を進行させず、うまく付き合っていくにはどうしたら良いかについて、点眼薬やオルソケラトロジーなどの様々な研究が進められています。
近視は屈折異常のひとつで「無調整の状態で眼に入る平行光線が網膜の手前で結像する眼の屈折状態」と定義されています。裸眼の状態で近くは見えますが、遠くは焦点が合わずにぼやけてしまいます。 近視になる原因には、大きく分けて「遺伝要因」と「環境要因」があります。強い近視は「遺伝要因」の影響が大きく、軽度の近視では「環境要因」が強いと考えられています。 両方が関与する場合もあります。 最近の学校保健統計調査では小学生の1/4、中学生の1/2以上が裸眼視力1.0未満となっており、更に低下傾向が続いています。 その原因としてパソコン・ゲーム機・携帯電話でのメールなど、近くを注視する機会が増えて「環境要因」による近視化を招きやすくなったためと考えられています。
「環境要因」による近視の進行は、日常の生活習慣を見直すことで防ぐことが可能です。
近視はいったん進んでしまうと回復は難しいですが、仮性近視(調節緊張)の段階であれば生活環境の改善や点眼治療、訓練などで回復する場合があります。
当院では、低濃度アトロピン0.01点眼薬(マイオピン)というお薬を一日一回点眼することによって、近視の進行を抑制する治療を行っております。
低濃度の0.01%アトロピン点眼剤では散瞳、調節力低下の副作用をほとんどきたさずに近視進行抑制効果があることがわかり、SingaporeNational Eye Centre(SNEC:シンガポール国立眼科センター)の研究に基づいてマイオピン点眼薬が開発されました。2016年8月現在、保険適応外ですが日本国内でもこの点眼の処方をおこなう施設が増えてきています。
子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じるケースが多くあります。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることがありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。
低濃度アトロピン0.01点眼薬は、近視の進行を遅らせる(眼軸長の進展を抑制する)という点で統計的にも臨床的にも有意義な効果が確認されている唯一の治療法です。 アトロピン1%は1960年から、すでに近視治療用に使用され続けています。しかしながらアトロピン1%は下記のような不快な副作用を引き起こします。 瞳孔がひらき続けることによる、まぶしさと強い光による不快感や目の痛み 目の遠近調節機能(手元を見る作業)が低下し、近くの物がぼやけて見え、読み書き等近くを見る必要がある作業が困難になる アレルギー性結膜炎及び皮膚炎 低濃度アトロピン0.01点眼薬(マイオピン)は、最適な超低濃度(0.01%)のアトロピンを点眼することにより、近視の進行スピードを効果的に抑えると同時にアトロピン1%点眼薬のような不快な副作用を回避します。
まずはお子様の視力についてスタッフ・院長までお問い合わせ、ご相談ください。
お子様の視力や目の状態などを検査・診察します。診療後、ご希望があれば低濃度アトロピン0.01点眼薬(マイオピン)を処方します。処方後は1ヶ月~3ヶ月毎に検査、診察のためにご来院ください。
※近視の進行が完全に止まるわけではありませんが、少なくとも2年間継続して使用することで何もしない方と比べ近視の進行を軽減できたという報告を基にしています。
本治療は自費診療(保険適応外)です。
<初回の処方時>
検査料…3,300円(税込)
目薬…【0.01%点眼薬(1本)】/3,850円(税込)【0.025%点眼薬(1本)】/4,950円(税込)
<初回の処方時>
検査料…3,300円(税込)
目薬…【0.01%点眼薬(1本)】/3,850円(税込)【0.025%点眼薬(1本)】/4,950円(税込)
1か月後に受診していただき、その後、定期受診に移行します。
※保険診療で「近視」を確認させていただいてから、後日処方となりますので、保険証や医療証をお持ちください。
※近視抑制の低濃度アトロピン0.01点眼薬よる治療は自費診療となりますので、近視進行抑制以外での診察は別の日に受診していただくことになります。たとえば定期検査の日に、花粉症も診察、ということは行えませんのでご了承お願い申し上げます。自費診療と、通常の保険療は、同日に行うことができない規則がございますので、患者様のご理解をお願い申し上げます。
※患者さんの都合で治療が中断になる場合の返金はいたしかねます。医師の判断で中止する場合は個別に対応いたします。
乳幼児期(生後~6歳ぐらい)は、目の発達にも重要な時期にあたります。この時期に目のピントが合っていない状態だと、視力や両眼視機能(立体視など)がうまく発達しません。
そのため3歳児健診は目の発達を知るためにとても大切な健診です。お子様の視力などの発達に遅れがないか調べてあげましょう。異常の発見が早ければ早いほど治療が有効となるからです。
生まれたばかりの赤ちゃんの目は、形はほぼ完成されていますが、視力は未熟で目の前がぼんやり見える程度です。 ものを見ることでどんどん視力は発達し、3~4歳で71%、5歳で83%が1.0以上に達するといわれています。 もちろん、個人差はかなりあります。われわれは普通1.0を健康視力としていますが、生まれたときから1.0というわけではありません。 毎日ものを見ることによって、からだの発育とともに視力もだんだんと発達します。
視力検査がはじめて、もしくは不慣れなお子様についても当院にてしっかりと検査し、眼鏡を急ぐべきかについて判断させていただきます。
視力の発達する期間(生後~6歳ぐらい)に、強い屈折異常(ピントが合っていない状態)などがあると、 視力が悪い状態のまま発達が止まってしまいます。 これを弱視といいます。 目を細める、目つきがおかしい(斜視)など、見てわかる症状もありますが、症状が何もない場合も多く見られます。
早期に適切な治療をすれば、治る可能性は高くなります。弱視の治療には主にメガネを用い、ピントが合った状態にすることで、視力の発達を助けます。しかし、乳幼児にメガネをかけさせることに抵抗があるのも事実です。 「まだ小さいから」「メガネをかけさせるのはかわいそうだから」と思われるかもしれません。 しかし、見えないのにメガネをかけさせない方がもっとかわいそうです。
弱視の治療で大切なことは、早く発見して早く治療を始めることです。 視力の発達期間を過ぎてから治療を始めても、視力は発達しません。 生後初めて視力を測る機会である「3歳児眼科健診」は、弱視の早期発見にとても重要です。
うちの子は大丈夫と思っても、忙しくても面倒がらずにぜひ健診を受けてください。また、視力検査は、健診の前にご家庭でチェックしていただく場合が多く、自宅での視力検査が上手にできなかったときには、健診のときに申告して再検査を希望していただくことをお勧めします。